いびき(睡眠時無呼吸症候群)
妻から「いびきがうるさい」と言われます。「いびき」は病気なのでしょうか?また、どうしたら治せますか。
睡眠時無呼吸症候群に注意
いびきがひどい方の中で、特に注意しなければならないのが「睡眠時無呼吸症候群」です。この病気は、寝ている間に呼吸が止まってしまい酸素の取り込みができなくなり、重症の場合、心不全や脳卒中、突然死の原因にもなります。
熟眠が得られないために日中は居眠りしがちになり集中力が低下します。睡眠中15秒以上の無呼吸状態が、1時間あたり5回以上ある場合、この病気が疑われます。1時間あたり20回以上の無呼吸がある場合は重症で、突然死のリスクが高く、専門的な治療が必要となります。
原因の多くは肥満
睡眠時無呼吸症候群の原因として一番多いのが肥満です。皆さんの周りに肥満の方で、寝ている間に呼吸が止まりしばらくしてから、おおいびきをかくような方がいますか。そんな方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。 診断には、鼻からの気流やのどを流れる空気の音を測定して睡眠中の無呼吸数を測定する「アプノモニター」や睡眠中の血中酸素濃度を測定する「夜間パルスオキシメーター」、胸郭の動きや脳波等も含めて総合的に評価する「スリープスタディ」等の検査があります。
減量することが重要
次に、治療についてですが、肥満が強く関わっていると診断されれば減量が非常に重要です。減量することにより気道の狭窄が軽減し、夜間の無呼吸が改善します。このほか口腔内の筋・骨格系の問題で気道が閉塞することもあり、この場合は口腔外科領域の手術や歯科装置を使って物理的に気道を広げたり、また耳鼻科的手術の適応になる場合もあります。
睡眠中の酸素不足を補う方法として、鼻マスク式の携帯用人工呼吸器を使う場合もあり、治療法はその患者さんの病態により様々です。 いびきがひどい方で熟眠感が得られず集中力の低下が見られる場合は、一度呼吸器科医にご相談ください。