食中毒予防
夏になると食中毒関連のニュースをよく見るようになります。食中毒にならないためにはどのような予防をすればいいのでしょうか。(30代・女性)
食中毒は細菌やウイルスなどが原因になり一年中起こりますが、特に夏は要注意です。細菌による食中毒を予防するには、まず、細菌を「食品に付けないこと」、そして「増やさないこと」、さらに「やっつけること」が大切です。食中毒の原因になるウイルスは人から人に伝わって感染するだけで、食品中では増えません。ですから「ウイルスを食品に付けない、広げない」が予防になります。
食品管理に気を付け病原菌が付きやすい肉や魚などは生で食べない、室温で放置したり冷蔵庫でも長期の保存をして細菌が増えた不潔な肉や魚は食べないようにします。調理用具や調理する人の手は清潔にし、みんなが食事やおやつの前には、よく手を洗うことも忘れないように。隅々まで丁寧に手を洗うことが必要です。まず、手を水でぬらしせっけんを使い、手のひらや指の腹、次に手の甲と指の背側、指先と爪の周囲、指の間、特に親指の付け根は洗い残しやすいのでしっかり洗い、流水で20秒間くらい流します。その方法で2度洗いをして、仕上げに乾いた手をアルコール消毒するのが理想です。ただし、ノロウイルスなどはアルコール消毒だけでは死滅しないので危険です。
土には食中毒の病原菌も存在していますから農作業やごみ処理の後には、丁寧に手を洗いましょう。手が荒れていると、皮膚の傷んだ部位は不潔になりやすいので、日頃から手のスキンケアも行いましょう。農作業、紙や段ボールを扱う作業は手が荒れやすいので、ハンドクリームでのケアをしておきます。便には食中毒の原因になるウイルスや細菌も存在し得るため、トイレの後には念入りに手を洗います。また、水洗トイレで流すときに、水流の勢いで便中のウイルスや細菌が空気中に舞い上がるので便座のふたを閉めることも食中毒予防には大切です。タオルを共有することも感染を広げてしまうのでやめましょう。
健康科学アドバイザー●福田千晶