手荒れ予防
冬の手荒れを防ぐ方法はありますか
毎年冬になると手荒れがひどくなります。特に炊事や洗濯など手を使う仕事が加わると、余計に手荒れがひどくなります。このような症状を防ぐには、どうしたら良いでしょうか。(30代・女性)
寒くなると湿度が下がり、空気が乾燥してきます。皮膚も乾燥し、皮膚の一番外側にある角層が障害されやすく、手荒れが起こりやすくなります。まずは、皮膚に対する刺激をできるだけ避けることです。食器洗いや洗濯などの水仕事をするときは、洗剤などの刺激物に直接触れないようにします。
症状の現れ方は、まず手がカサカサして乾燥します。その後、赤味が出て炎症が起き、湿疹やかゆみを伴うようになります。炎症が強くなると、ひび割れが起き、時には手を使う仕事ができないほどの痛みが出てきます。
冬場にお湯などで食器洗いをすると、皮膚の表面を覆っている皮脂が流され、皮膚が乾燥しやすくなります。そのため、水仕事はゴム手袋を着けて行うようにします。皮膚の弱い人は、ゴム手袋だけではかぶれを起こすこともあるので、木綿の手袋の上にゴム手袋をすることをお勧めします。
手荒れを予防するには、手を使った後、きちんとケアをすることが大事です。水でぬれた手をそのままにしておくと、手が乾くときに角層の水分も蒸発してしまうため、皮膚が余計に乾燥してしまいます。
水仕事でぬれた手は、きちんと水分を拭き取るようにし、すぐに保湿剤を塗っておくようにしましょう。主な保湿剤には、油性のワセリンや尿素入りのクリーム、乳液などがあります。よく手荒れを起こす人は、日頃から予防のために水仕事や入浴の後に、小まめに塗っておくと良いでしょう。
佐久総合病院名誉院長 松島 松翠